ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
そんな話をしているうちに、魚の養殖を行っている部屋にたどり着く。

扉を開くと、頭にねじり鉢巻きを結び、ゴムのエプロンをかけたメルヴの姿があった。

『ラッシャーイ!』

『ラッシャイ!』

心なしか、働くメルヴ達も威勢がいいような。

それにしても、すごい。部屋の中が養殖場のようになっていた。水に手を浸すと、きちんとしょっぱい。海の水だ。

「あまり覗き込むなよ。深さは十メートル以上ある」

「そんなに深いんだ」

「おそらくだが」

「おそらく?」

「ここは、海の一部を切り取って、持ってきているような空間なのだ」

「じゃあ、これは本物の海なのね」

「そうだ。ちなみに落ちたら、海とこの部屋を繋げる術式から生じる空間に体が引き寄せられて、二度と地上に上がれなくなる」

「怖いことをさらっと言わないで」

慌てて海面から距離を取った。背伸びをして、海中を覗き込む。

魚が悠々と泳いでいて、時折銀色の体をキラリと光らせていた。
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