ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
リュカオンの転移魔法で、カイロス殿下の私室へ移動した。

部屋の前辺りに着地するのかと思いきや、いきなり部屋に降り立ってしまう。

小さな悲鳴がいくつか上がった。

カイロス殿下が弾かれたように立ち上がるが、イクシオン殿下の姿を確認し、ホッと息をはく。

「イクシオンだったか」

「兄上、すまない。まさか、ここに直接降り立つとは、想定外だった」

「聖獣の力だな?」

カイロス殿下は、私が抱き上げる子犬の姿のリュカオンを見て、驚いていた。

「その小さき犬が、聖獣リュカオンか?」

「普段は、このように小さな姿でいる」

「そうだったのだな」

部屋にはすでに、先客が座っていた。

十六歳くらいの金髪碧眼の美少女に、舞踏会の夜に見かけた人妻らしき美しい女性。それから、なぜかエレクトラも腰かけている。

女性陣の空気は重たく、どこか気まずげであった。
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