ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
任務は完了となったので、そろそろお暇(いとま)したい。イクシオン殿下に視線で訴えると、承知したとばかりに頷く。

「では、父上、母上、私達は宮殿に戻ります」

「待たれよ。まだ、本題に移っていない」

「実は、お願いことがあって」

何やら大変な予感がする。また今度ゆっくりと言いたいところだったが、逃げられるような雰囲気ではなかった。

「一か月後に北に位置する大国『スノウベリー国』の王太子夫妻が来ることとなった。ちょっとした歓迎のパーティーを開く予定なのだが、そこで出す軽食を、アステリア嬢に考えてほしい」

「私が、ですか?」

「ええ。このお饅頭のような、珍しくておいしい料理を考えてほしいの」

甘い物ではなく、小腹が満たされる軽食がいいらしい。

「突然、すまない。実は、他の料理人にも同様に、軽食を考えるよう命じたのだが、ピンとくるものがなくてな」

「スノウベリー国の王太子夫婦は、新しいもの好きだと噂されているので、見たことがないような軽食だと、喜ぶと思って」

軽食のアイデア出しは、私以外の料理人からも募っているらしい。

十日後、コンペティションを行い、国王夫妻が決めた料理が歓迎パーティーの軽食として出されるという。

作るのは私だけでなく、他の料理人も参加する競合だというのであれば、俄然(がぜん)燃えてくる。二つ返事で了承した。
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