ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
イクシオン殿下とリュカオンに、味見をしてもらう。

「アステリア、もう完成したのか?」

「ええ、これなんだけれど」

彩りをきれいに見せるために、ネタと酢飯の間に牡蠣油のソースを塗った、“なんちゃって江戸前寿司”である。

「これは、美しい。まるで、宝石のように輝いている」

『見た目は合格だな』

問題は、味である。ドキドキしながら、二人が試食する様子を見守った。

イクシオン殿下とリュカオンは、同時に食べる。

「うっ!」

『むうっ!』

反応は、まったく正反対であった。

「アステリア、こ、これは、むぐぐ、無理」

「あー、ダメか。あ、どうぞ、こっちに」

「……すまぬ」

イクシオン殿下は、鮭握りを呑み込むことができなかった。
< 165 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop