ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
そうこうしているうちに、子犬はオムライスを完食してしまった。

『すばらしくおいしかった! お主の作る料理は、最高だ!』

「そ、そう?」

喜びがこみ上げる。

やはり、私は料理をすることに、一番の幸せを感じてしまうようだ。

生まれ変わっても、心の有様や魂は変わらないのだろう。

口周りのトマトソースを拭いてあげたあと、思いがけない宣言をされる。

『お主、名はなんという?』

「アストライヤーよ」

『全名は?』

「アステリア・ラ・アストライヤー」

『では、アステリア・ラ・アストライヤーに、聖獣リュカオンが命じる。汝、我の“ごはん係”として任命するぞ!』

「へ!?」

目の前に大きな魔法陣が浮かび上がる。キュルキュルと音を立てながら小さくなり、魔法陣は私の手の甲に移った。パチンと音がなると、魔法陣は消える。
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