【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
人の流れがなくなり、開けた場所に出た。フェスタの会場だ。三方をブティックや飲食店が囲む広場に臨時のテーブル席が並び、人々でにぎわっている。
藍色に暮れた空に、オレンジ色の街灯が映える。だれもがワイングラスを手にしていて、流れている音楽も耳慣れないジャンル。ここだけ異国みたいだ。
「すごいですね」
「奥のほうまで会場なんだな。とりあえず一周してみる?」
「はい」
座って飲み食いするもよし、食べ歩くもよしといった感じだ。夏を目前に、一足早く解放された場所という気がする。
少し歩いたところで、私はブティックのショーウィンドウに気を取られた。当然ながら、手をつないでいる一臣さんもすぐに気づく。
「あのバッグ?」
「わかりますか?」
全体としてはエレガントでゴージャスな雰囲気にまとめられたショーウィンドウの中、私は赤いショルダーバッグに釘付けになった。
限りなく赤に近いピンクというべきか、その逆というべきか。小さな円筒形で、おそらく革製。花びらのようなカッティングやゴールドの曲線的な金具もさることながら、私の視線を捉えて離さないのは、ベルトの裏地だ。
花柄なのだ。
バッグの口が閉じているため見えないが、だいたいこういうところに花柄が使われているバッグは、中も花柄だったりするものだ。
かじりつくようにショーウィンドウをのぞく私につきあって、一臣さんもしげしげと観察している。
「私には華やかすぎますが……」
「いいじゃないか。全身のアクセントになるよ」
「小さすぎる気も……、私、荷物が多いんです」
なにを入れているのかと問われると困るが、どこに行くにも通勤用のトートバッグを使っている。バッグを替えると大事なものを入れ忘れそうでいやなのだ。
しかし理想のバッグだ。私が持つのにぴったりという意味じゃない。かわいいバッグとはかくあるべしという私の中の要件を、すべて満たした商品という意味だ。
藍色に暮れた空に、オレンジ色の街灯が映える。だれもがワイングラスを手にしていて、流れている音楽も耳慣れないジャンル。ここだけ異国みたいだ。
「すごいですね」
「奥のほうまで会場なんだな。とりあえず一周してみる?」
「はい」
座って飲み食いするもよし、食べ歩くもよしといった感じだ。夏を目前に、一足早く解放された場所という気がする。
少し歩いたところで、私はブティックのショーウィンドウに気を取られた。当然ながら、手をつないでいる一臣さんもすぐに気づく。
「あのバッグ?」
「わかりますか?」
全体としてはエレガントでゴージャスな雰囲気にまとめられたショーウィンドウの中、私は赤いショルダーバッグに釘付けになった。
限りなく赤に近いピンクというべきか、その逆というべきか。小さな円筒形で、おそらく革製。花びらのようなカッティングやゴールドの曲線的な金具もさることながら、私の視線を捉えて離さないのは、ベルトの裏地だ。
花柄なのだ。
バッグの口が閉じているため見えないが、だいたいこういうところに花柄が使われているバッグは、中も花柄だったりするものだ。
かじりつくようにショーウィンドウをのぞく私につきあって、一臣さんもしげしげと観察している。
「私には華やかすぎますが……」
「いいじゃないか。全身のアクセントになるよ」
「小さすぎる気も……、私、荷物が多いんです」
なにを入れているのかと問われると困るが、どこに行くにも通勤用のトートバッグを使っている。バッグを替えると大事なものを入れ忘れそうでいやなのだ。
しかし理想のバッグだ。私が持つのにぴったりという意味じゃない。かわいいバッグとはかくあるべしという私の中の要件を、すべて満たした商品という意味だ。