【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
向かい側に同じセットが並べられ、一臣さんが席につく。懐かしい朝食の風景。バルコニーに面したガラスドアから、これでもかと陽光が降り注ぐ。
「いただきます」
オムレツを口に入れた瞬間、一臣さんが「ん!」と目を見開いた。
「いつの間にか、きみのほうがずっと上手だ」
「そうですか?」
たしかに、火の通りにむらがあるといえばある。
「練習の成果ですね。でもこれもすごくおいしいです」
「積み重ねってすごいな」
「それだけ、一臣さんが食べてくださったんです」
パンをスープに浸す。野菜の優しい味が、全身に染みわたる。
あっという間に完食した私を、微笑んで見つめていた一臣さんが、テーブルの隅からなにかを取って、私たちの間に置いた。
薄いグレーの、ビロードの小箱。
どう見ても心当たりのあるその形状に、私は彼に目で問いかけた。一臣さんがトンと箱を指で突く。
「開けてみて」
おそるおそる手に取り、そっと開く。思ったとおり、繊細なデザインの指輪が、つやつやした布の上で銀色にきらめいていた。
「きれい……」
「本当は昨日渡すつもりだったんだ。都会の夜空の下、ワインを飲みながら、ポケットからさりげなく出す。悪くないプランだろ?」
「なぜそうしなかったんです?」
一臣さんが腕組みをし、憤懣やるかたないといった様子でむすっとする。
「間違えて上着ごとロッカーに入れた」
失礼ながら、私は大笑いした。
「一臣さんも、そんな抜けたことするんですね」
「自分でもあきれたよ。というわけで後先になったが……」
一臣さんがまっすぐ私を見て、柔らかく微笑む。
「結婚してほしい、花恋」
「いただきます」
オムレツを口に入れた瞬間、一臣さんが「ん!」と目を見開いた。
「いつの間にか、きみのほうがずっと上手だ」
「そうですか?」
たしかに、火の通りにむらがあるといえばある。
「練習の成果ですね。でもこれもすごくおいしいです」
「積み重ねってすごいな」
「それだけ、一臣さんが食べてくださったんです」
パンをスープに浸す。野菜の優しい味が、全身に染みわたる。
あっという間に完食した私を、微笑んで見つめていた一臣さんが、テーブルの隅からなにかを取って、私たちの間に置いた。
薄いグレーの、ビロードの小箱。
どう見ても心当たりのあるその形状に、私は彼に目で問いかけた。一臣さんがトンと箱を指で突く。
「開けてみて」
おそるおそる手に取り、そっと開く。思ったとおり、繊細なデザインの指輪が、つやつやした布の上で銀色にきらめいていた。
「きれい……」
「本当は昨日渡すつもりだったんだ。都会の夜空の下、ワインを飲みながら、ポケットからさりげなく出す。悪くないプランだろ?」
「なぜそうしなかったんです?」
一臣さんが腕組みをし、憤懣やるかたないといった様子でむすっとする。
「間違えて上着ごとロッカーに入れた」
失礼ながら、私は大笑いした。
「一臣さんも、そんな抜けたことするんですね」
「自分でもあきれたよ。というわけで後先になったが……」
一臣さんがまっすぐ私を見て、柔らかく微笑む。
「結婚してほしい、花恋」