【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
「だれもが発信者となり、人を集めて会話の場をつくれる。SNS的に使ってもいいしブログを書いてもいい。似たサービスはすでにあるが、違うのは……」
「モンスターアプリ、モメントの追加機能である、というところですね」
そう、と諏訪さんがにやっとした。
「ユーザーの母数の桁が違う。新たな市場への殴りこみだ。既得権益にあぐらをかいてるライバルを徹底的に駆逐するぞ」
「で……、今その機能を使うんですか?」
「そう。β版として機能を限定して公開してる。PR目的もあって、さまざまなジャンルのプロフェッショナルにプラザで“講座”を開いてもらってる」
話の筋が見えてきた。
「その中に、インテリアのプロがいる?」
「俺はきみのそういうところが好きなんだ」
諏訪さんは無邪気に、ははっと笑った。けれど笑いは、は……と途中で消えた。
わかる。彼がよく使うフレーズとはいえ、これから一緒に暮らそうとしているときに聞くには、微妙だ。
いつもなら私も笑うかお礼を言うかするのだけれど、うまくいかなかった。
「……えーと、なんだっけ」
「インテリアのプロが……」
「そうだ。俺はマスターアカウントを持っていて、すべての講座に参加できる。講師と個人的に会話もできる。というわけで、彼に聞く」
話しながら諏訪さんは、次々に写真をアップしコメントを打ちこんでいく。
【……目指したい雰囲気はわかっていただけると思います。雑貨のチェーンストアもしくは百貨店で手に入るものを希望です。ワンコイン系のショップは近隣にありません】
「予算は……、3万円にしておくか」
「運営してるのは“本体”のほうですよね。なぜ諏訪さんがアカウントを?」
「プロジェクトの初期にかかわってた。きみがアシスタントになる直前だな」
かかわっていたなんてことが、ある?
本体はテックと協業するのを嫌う。子会社としてつくったはずのテックが、決済サービスの大成功で本体のお株を奪ってしまったからだ。
私の顔に浮かんだ疑問を読み取り、諏訪さんが口を開いた。
「コアプラザは、他社が開発していたサービスをベースにつくられてる」
「サービスを買い取ったということですか? そんな話を聞いたことは……」
「買い取ったのはサービスじゃない。会社だ」
「会社を……」
「モンスターアプリ、モメントの追加機能である、というところですね」
そう、と諏訪さんがにやっとした。
「ユーザーの母数の桁が違う。新たな市場への殴りこみだ。既得権益にあぐらをかいてるライバルを徹底的に駆逐するぞ」
「で……、今その機能を使うんですか?」
「そう。β版として機能を限定して公開してる。PR目的もあって、さまざまなジャンルのプロフェッショナルにプラザで“講座”を開いてもらってる」
話の筋が見えてきた。
「その中に、インテリアのプロがいる?」
「俺はきみのそういうところが好きなんだ」
諏訪さんは無邪気に、ははっと笑った。けれど笑いは、は……と途中で消えた。
わかる。彼がよく使うフレーズとはいえ、これから一緒に暮らそうとしているときに聞くには、微妙だ。
いつもなら私も笑うかお礼を言うかするのだけれど、うまくいかなかった。
「……えーと、なんだっけ」
「インテリアのプロが……」
「そうだ。俺はマスターアカウントを持っていて、すべての講座に参加できる。講師と個人的に会話もできる。というわけで、彼に聞く」
話しながら諏訪さんは、次々に写真をアップしコメントを打ちこんでいく。
【……目指したい雰囲気はわかっていただけると思います。雑貨のチェーンストアもしくは百貨店で手に入るものを希望です。ワンコイン系のショップは近隣にありません】
「予算は……、3万円にしておくか」
「運営してるのは“本体”のほうですよね。なぜ諏訪さんがアカウントを?」
「プロジェクトの初期にかかわってた。きみがアシスタントになる直前だな」
かかわっていたなんてことが、ある?
本体はテックと協業するのを嫌う。子会社としてつくったはずのテックが、決済サービスの大成功で本体のお株を奪ってしまったからだ。
私の顔に浮かんだ疑問を読み取り、諏訪さんが口を開いた。
「コアプラザは、他社が開発していたサービスをベースにつくられてる」
「サービスを買い取ったということですか? そんな話を聞いたことは……」
「買い取ったのはサービスじゃない。会社だ」
「会社を……」