【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
「料理ができません」
「ふたりともそれだと、食生活が貧しくなる。一緒にがんばろう。ほかには?」
考えたけれど、出てこない。
「ないと思います、今のところは」
「そうか、俺もたぶんない。気づいたら都度報告することにしよう」
「はい」
その後、私たちが購入したのはワンピース1着と、アドバイスを参考に選んだひとり掛けのソファひとつ──花柄でフリルがたっぷりついたもの──、サイドテーブルひとつ、クッションをいくつか、それから、こまごまとした雑貨。
合間にランチをとり、マンションに戻ったころには日が傾きはじめていた。プロの指示に従って、買ってきたものを部屋に置く。
ソファは大胆にど真ん中に。そばにサイドテーブルを添え、本当に合うのか不安になるほどカラフルなクッションを敷く。
寝具の上にも、枕と一緒にチェリーピンクのクッションを置き、半端に埋まった棚にはレースのドイリーを敷き……
見違えるようにまとまった、花園のような部屋ができあがった。
「こんなに色も柄も多いのに、どうしてまとまって見えるんでしょう……」
「プロってすごいよな」
戸口から室内を眺めた。このまま延々眺めていられそうだ。
ふと、ソファの足元に置いた紙袋が目に入った。化粧品と服だ。この部屋にふさわしくあるために、買ったもの。
いや、私は買っていない。信じがたいことに、諏訪さんは私に一銭も払わせようとしなかった。
次はあれの番か、と思うと、身がすくむ思いがする。
「すぐに身に着けろとは言わないよ。きみのタイミングでいい」
隣に立つ諏訪さんが、私の心理を見透かしたように言った。私はまるで、急に難度の上がった課題をもらった学生みたいな気分だったから、とてもほっとした。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
「……今日一日で、ずいぶんとダメな部分をさらけ出した気がします」
「ふたりともそれだと、食生活が貧しくなる。一緒にがんばろう。ほかには?」
考えたけれど、出てこない。
「ないと思います、今のところは」
「そうか、俺もたぶんない。気づいたら都度報告することにしよう」
「はい」
その後、私たちが購入したのはワンピース1着と、アドバイスを参考に選んだひとり掛けのソファひとつ──花柄でフリルがたっぷりついたもの──、サイドテーブルひとつ、クッションをいくつか、それから、こまごまとした雑貨。
合間にランチをとり、マンションに戻ったころには日が傾きはじめていた。プロの指示に従って、買ってきたものを部屋に置く。
ソファは大胆にど真ん中に。そばにサイドテーブルを添え、本当に合うのか不安になるほどカラフルなクッションを敷く。
寝具の上にも、枕と一緒にチェリーピンクのクッションを置き、半端に埋まった棚にはレースのドイリーを敷き……
見違えるようにまとまった、花園のような部屋ができあがった。
「こんなに色も柄も多いのに、どうしてまとまって見えるんでしょう……」
「プロってすごいよな」
戸口から室内を眺めた。このまま延々眺めていられそうだ。
ふと、ソファの足元に置いた紙袋が目に入った。化粧品と服だ。この部屋にふさわしくあるために、買ったもの。
いや、私は買っていない。信じがたいことに、諏訪さんは私に一銭も払わせようとしなかった。
次はあれの番か、と思うと、身がすくむ思いがする。
「すぐに身に着けろとは言わないよ。きみのタイミングでいい」
隣に立つ諏訪さんが、私の心理を見透かしたように言った。私はまるで、急に難度の上がった課題をもらった学生みたいな気分だったから、とてもほっとした。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
「……今日一日で、ずいぶんとダメな部分をさらけ出した気がします」