「悪」が似合わない君と。


そ、っか


勝手にリュードーさんに恋してたけど


考えてみれば…


リュードーさんにだって好きな人はいたのかもしれない


そんな片思いの相手が恋してなくてこれから自分と恋するなんて…都合がいいにも程がある


でも…だったら今日のあのキスはなんなんだって…


でもリュードーさんなら…女の人と関わりなんていっぱいある


なんで考えなかったんだろう


始まる前に終わるかもしれない恋だったこと



「おい!」


わっ!


「さっきから呼んでっけど」


「ああ!ごめんなさいちょっと考え事してました」


「考え事ね」


「そ、それより好きな人いたんですか。私初耳ですよ」


なるべく普段通りに言おうとするけど声がこわばっている


目を見れない…


不自然にそらしながら頑張って笑う


「言えるわけないだろ」


「あ…そ、そうですよね。」


…はは


無理だ…言えない


言えるわけない



…どうする?


今日言おうって決めてたけど


ふられるってわかってるなら言わない方がいい?


その方がリュードーさんにも迷惑はかからない




けど



私はそれでいいの?


言わなくて後悔しない?


言わずに後悔するより、言って後悔した方が…



そりゃ怖いけど


怖くてたまらないけど



それでも言いたいって思うくらいこの恋は大きいから





言おう。





私は顔を上げた


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