「悪」が似合わない君と。


思ったより決心するのは早かった。

潔いって言うのかな

大きめに息を吸ってリュードーさんの目を見た


「リュードーさん…聞いてほしいことがあります」


ずっと抱えてたこの想い


さよならだとしても


言わせてください





さよならだと…しても…


なんでこんな時に限ってフラッシュバックするかな…


リュードーさんの笑った顔が脳内から離れない


匂いや、声や、


キスの感覚…


それらをぐっと飲み込んで終わるかもしれない恋をぶつけた



「私…リュードーさんがっ、、」


でも…


そこまでしか言えなかった



「美花!」


!!


リュードーさんの手が伸びてきたと思ったら


視界は暗くなって、急に窮屈になった


動きが抑制され、鼻いっぱいに広がるリュードーさんの香り、そして体で感じる体温


本日三度目のリュードーさんの胸の中


背中に回ったリュードーさんの腕が力強く私を抱く



「りゅ、うどうさん?」


唐突のことすぎて頭が追いつかない


「なに…泣いてんの?」


泣く…え?

目元に意識をもっていくと頬を伝う水

気がついたら私は泣いていた


「え!うそ!」


やば!恥ずかしい!


なんで!?なにがあった!?


ま、まさか、フラッシュバックした時に…
リュードーさんのことを考えすぎたみたいだ


なんで本人前にして泣いちゃうかなっ!


慌ててリュードーさんの腕の中から抜け出そうとした


でも


ぐっ


え?


体がいうことを聞かない


「行くな」


それもそのはず…リュードーさんが私を離さなかったからだ


「ここにいろ」


リュードーさんの腕が強くなる


…なんで



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