庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
「どうする?」
「強制送還だけは嫌」
せっかく環境にも慣れ、仕事も楽しくなってきたところなのにそれだけは避けたい。
でも過保護な両親だ。千晃くんの言う通り、そのくらいするかもしれない。現に私が実家を出ると決めたときも、すごく泣かれたし。
「じゃあ決まり」
「でも……私嘘とか苦手」
「知ってる」
「それに、千晃くんに迷惑かけちゃ悪いし」
久しぶりに彼の名前を呼んで、どことなくくすぐったい気持ちになる。
「今さら? お前のことはよく知ってるし、それに両親だって俺が来たら安心するんだろ」
さも当然かのように言って、さらに口の端を綺麗にあげる。自分が信用されているという自信があるんだろうな。相変わらず自信家な人。
「でもやっぱり気が引ける……」
「あー、ほんとお前はいくつになってもとろいな。俺がいいって言っているんだからいいんだよ。黙ってついて来い」
強引に私の手を取ると千晃くんは、足早に私を連れ出した。
「ちょっ、待ってよ! 千晃くん!」
「反論は後で聞く。待ち合わせ場所はどこだ」
「え、あ、駅前のYホテル」
私が問いに答えると、千晃くんはさらに足を速め、迷うことなく目的地に向かって行く。
あーどうなっちゃうんだろう。うまくいくの? そもそも、こんなことしていいの?