庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
 

 それと同時に、なぜ他の女子にあまり真剣になれなかったのかがわかった。きっと椎花という魅力的な子が近くにいたからだろう。

 椎花より可愛い子はいない。心のどこかでそう思っていたから、香坂たちのようにテンションを上げることができなかったのかもしれない。そう結びつければ、どれも納得がいった。



 あの時の金魚は今も実家にいると、ついこの前桜太と一緒に飲んだとき言っていた。かなりの大きさに育っているとか。

 思えば俺の長い長い片思いの歴史は、あの時すでに始まっていたのだ。

「社長、打ち合わせの時間です」
「あぁ、わかった。今行く」

 窓の外から香ってくる金木犀に鼻腔をくすぐられながら、青かった自分を封印するように窓を閉める。

 椎花に会いに行く準備は整ったと言ってもいい。会社も軌道に乗り始めたし、身の回りも整った。椎花が今どこで何をしているのかも掴めたし。

 再び会えた時は、とびきり甘やかしてあげたい。今なら甘い言葉だっていくらでも言える気がする。

 そんなことを想像しながら俺はオフィスを後にした。

 その数日後、偶然再会することになるとも知らずに。



Fin.

< 185 / 185 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:396

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

仮面夫婦のはずが、怜悧な外科医は政略妻への独占愛を容赦しない
  • 書籍化作品
[原題]さよならのその前に〜怜悧な外科医と華麗なる離婚〜

総文字数/84,273

恋愛(オフィスラブ)161ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
口下手で不愛想だが優秀な脳外科医 岩鬼大知(33歳) × 北条病院の令嬢で臨床心理士を目指す大学院生 岩鬼杏(24歳) *・゜゚・*:.。..。.:*・*:゚・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*: 幼い頃から好きだった大知と政略結婚した杏だったが 結婚して一年たった頃 実家の病院をたたむという連絡が 「彼の足かせになりたくない」 好きだけど別れを決意。 「大知さん、私と離婚してください」 「じゃあその前に、最後くらい夫婦らしいことしようか?」 最初で最後の蜜月のはずが その日を境に、大知の態度が一変。 (私たち離婚するんじゃなかったんですか……?) *・゜゚・*:.。..。.:*・*:゚・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:  ※2022年6月13日完結・公開 \\2022年11月17日マカロン文庫より書籍化// こちらは改稿前のものとなります。
冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
  • 書籍化作品
[原題]冷徹CEOは懐妊秘書に愛欲を注ぎたい

総文字数/72,319

恋愛(オフィスラブ)158ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「たった今から、俺とお前はただの男と女だ」 現在の社長が倒れたことで社長に就任した 若きホテル王、 本郷匠馬(33歳) 婚活アプリで知り合った男にお金をだまし取られ、 雨の中泣いているところを匠馬に偶然見られてしまった 社長秘書の神谷澪(28歳) 仕事は完璧でしっかり者だが恋は不器用。 「社長には関係ありません」 「俺なら、忘れさせてやれる」 「何をするんですか!?」 その日を境に匠馬の独占欲は日に日に増していき。 澪は公私ともに愛され、ついには……! 若きホテル王×不器用秘書の溺甘攻防戦!
独占欲強めな同期の極甘な求愛
  • 書籍化作品
[原題]ハイスペック同期は腹黒幼馴染

総文字数/70,001

恋愛(オフィスラブ)138ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
地味で真面目な私、 白鳥美麗(しらとりみれい) が長年片思いしているのは、 幼馴染で同期のハイスペック男、 都倉臣(とくらおみ)。 会社では二人の関係は内緒。 (ううん、口止めされている!) 彼の弊害になりたくない。嫌われたくない。 だから会社では他人のふり。 だけどそんな彼も出世のために お嫁さん探しを始めると言いだし。 20年にも及ぶ片思いから卒業する 決意をする美麗だが……。 「お前は誰にでも都合のいい女なのか?」 ……え? 「想像したらムカつく」 臣が突然、嫉妬心剥き出し……!? 幼馴染二人の、恋愛攻防戦!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop