特殊探偵世界係！！
そのチャンスは、泉がメイドになって二日後に急にやってきた。

いつものように掃除をしていた泉は、ライサンダーに声をかけられる。

「二時間ほど出かけてくる。掃除が終わったら休んでいてくれて構わない」

屋敷に一人きりになる時間ができたことに、泉は心の中で喜んだ。

「かしこまりました。行ってらっしゃいませ」

ぺこりとお辞儀をし、主人を見送る。ライサンダーが屋敷から離れたことを確認し、泉は行動に移った。

緊張しながら鉄でできた分厚いドアを開ける。その刹那、強い霊気が泉の体を包んだ。

「何、この霊気……。普通じゃない！」

こんなにも強い霊気を感じたのは、泉は初めてだった。一歩ずつ暗い足元に気をつけながら階段を降りる。コツンコツンという足音が無駄に響いた。

長い螺旋階段を降りると、目の前には黒いドア。泉は恐る恐るノブに手をかける。鍵はかけられていなかった。泉はゆっくりとドアを開ける。

「えっ……」

泉の目の前には、科学者の研究所のような光景があった。机の上には試験管やフラスコが置かれ、紫や緑の謎の液体が入っている。本棚には真っ黒な背表紙の本がたくさん並べられている。泉は手に取りページをめくったが、英語でもイタリア語でもない言葉で書かれていたため、何の本なのかはわからない。
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