北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
 顔をあげると、瞳を煌めかせて笑う累に見つめられた。
「急に3人家族になったね」
 ほほえんで見返すと、累の背後に逆光が差した。凛乃はまぶしくて目を閉じる。あごに指がかかって、すくいあげられた。
 覆いかぶさってくる気配と、ぴたりと重なるてのひら、つながる口唇と舌の先で、身体のなかが満ち足りてゆく。
 鈴の音はもう聞こえない。






fin
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