明日は明日の恋をする
次の日 ーー

今日も朝のルーティンワークを終え、秘書課に戻って仕事をしていた。

「明日香、さっき有栖川財閥のお嬢様がいらして社長室へ行ってたけど、社長から連絡こなかった?」

秘書課に戻ってきた真彩さんが教えてくれた。有栖川財閥のお嬢様かぁ…有栖川?……美玲さんが来てる!?

私は仕事の手を止めて青ざめた。

どうしよう…。

私が今社長室へ行くと美玲さんに見つかってしまう。『ナオ君の代わりに秘書やってます』と言っても『他にも秘書はいるのに?』ってなるに決まってるし、何より今…私自身が美玲さんに会いたくないというか、進藤さんと楽しそうにしている美玲さんを見たくなかった。

でも、お茶出ししないと失礼だし…。

そして恐らく進藤さんも秘書(わたし)を呼ぶ訳にはいかないからどうしようかと今頃悩んでるはず…。

頭の中を色んな考えがグルグル回る。

「あ、明日香…大丈夫?」

呆然としている私に、真彩さんは心配そうに顔を覗き込んできた。

「…マイさん、お願いがあるんですけど。」

私は切羽詰まった表情で真彩さんの両肩をぐっと掴む。

「な、何?どうしたの?」

「無茶な事言ってるのは分かってるけど…今だけ社長秘書代わってもらえませんか?」

「え?何、どういう事?」

「お願いします。」

私は理由も言わずにただ頭を下げてお願いする。真彩さんはしばらく黙っていたが、何かを察したのか髪を耳にかけ、クルッと背中を向けた。

「事情は分からないけど、今だけ社長秘書をやればいいのね。」

そう言って真彩さんは社長のスケジュールに目を通し、私の代わりに社長室へ行ってくれた。
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