明日は明日の恋をする
「…そろそろ帰るか。」

「…うん。」

私達は最近キス以上の触れ合いをしていない。私が勝手に感じているだけかもしれないけど、進藤さんは私と一歩距離を置いている気がする。別れに向けた準備なのかもしれないが…それが何だか寂しかった。

そして進藤さんに高瀬さんのマンションまで送ってもらい、また1人の夜を静かに過ごした。

それから1週間が経ち、私は平穏に秘書の仕事をこなしていた。職場では真彩さんとランチに行ったり、仕事が終わると進藤さんとご飯食べたりして変わらない日々を過ごしている。そして1日1日が刻々と過ぎていった。

秘書勤務も残り3日となり、私はいつものように朝出社して社長室へスケジュール確認に行く。

「失礼します。」

社長室へ入り一礼して顔を上げると、進藤さんの他にもう1人来客用のソファーに座っていた。

「ただいま、明日香ちゃん。立派な秘書になったじゃん。」

「えっ…た、高瀬さん!?」

私を見て笑顔でひらひらと手を振っているのは間違いなく高瀬さんだ。でもまだ出張中なんじゃ…?

「予定より早く帰って来れたんだ。」

「そうなんですか。じゃあ私の仕事はここまでですね。」

「いや、今日までは仕事お願いするよ。俺は報告と引き続きしたら帰るから。」

「分かりました。」

今日で秘書勤務も終わりか。何事もなく無事に終わりそうで良かった。慣れない仕事で緊張したけど良い経験ができたし、代わりを引き受けて良かった。
< 140 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop