明日は明日の恋をする
「あっそうだ。もう少ししたら会長がここに来るから。」

会長って…進藤さんのお父様が社長室へ来るの!?私は無駄に緊張し始めソワソワしてした。

「明日香…俺が言うのも何だが、緊張するような人じゃないから安心しろ。」

私のソワソワに気づいたのか、進藤さんが声をかけてくれた。

「あはは、明日香ちゃん緊張してるの?確かに会長って聞くとビビるよね。でも気さくな人だから大丈夫だよ。そろそろ来ると思うから、お茶を持ってきてくれる?」

「は、はい。」

私はお茶を準備する為に一旦社長室を出る。進藤さんも高瀬さんも大丈夫とは言うけど…やっぱり緊張するよ。会長なんて役職の方と会うなんてそうそうないし…私には関係ないけど、進藤さんの父親だし…。

お茶の準備が終わるとまた社長室へ戻った。

「失礼します。」

緊張しながら社長室へ入った。顔を上げると、来客用のソファーに進藤さんと高瀬さんが座っていて、2人の向かい側にもう1人男性が座っている。この方が会長か。私は用意したお茶を3人の前に置いた。

「ありがとう。」

仕事モード全開の進藤さんが笑顔でお礼を言う。不思議な感じだ。

「おや…もしかして君…るなちゃんじゃない?」

「え?」

『るな』…私がホステス時代に呼ばれていた源氏名。会長に名前を呼ばれて条件反射的に振り向いてしまった。

「会長、水沢さんをご存知なんですか?」

高瀬さんが私の方を見ながら会長に尋ねた。 進藤さんも不思議そうな表情をしている。

私は緊張してよく見ていなかったが、失礼ながらも改めて会長の顔をマジマジと見た。
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