明日は明日の恋をする
そして夜 ーー

「う~ん…暇だなぁ。明日は休みだし、久しぶりに外に出てみようかな。」

私は暇つぶしに外に出てみる事にした。とはいえ、お金も無いし散歩がてら街中を適当に歩いた。

「あれ…水沢さん?」

前から歩いてきた大学生っぽい男性に声をかけられた。ナンパ?いや、私の名前を呼んでたし知り合い?近づいてくる男性に警戒しながら顔をよく見る。

「あっ、高瀬さん?」

「何で疑問形?」

私服姿の高瀬さんを見るのは初めてだったし、雰囲気も違うから気づかなかった。高瀬さんは疑問形で名前を呼ぶ私を見てクスクス笑っている。

「あ、あの…スーツ姿を見慣れてたもので…。私服だと雰囲気変わりますね。」

「あはは、よく言われる。そして私服だとよく未成年に間違えられる。今もコンビニでお酒買ったら年齢確認されたし。」

高瀬さんは手に持っているコンビニの袋を私に見せながら話す。

「そういえば…高瀬さんって何歳なんですか?」

「さて何歳でしょう?それより水沢さんはこんな所で何してるんです?買物?」

「あ~…する事なくて暇だったので街中を散歩…みたいな…?」

「そうか…社長、今日は…。でも女性が一人で夜道を歩くのは危ないですよ?そうだ、良ければ付き合ってもらえません?家飲みに。」

高瀬さんはにっこりしながら誘ってきた。

「えっと…。」

どうしよう…

私は言葉を濁して誘いに乗るか考える。高瀬さんとお酒を呑むのはいいんだけど、恐らく一人暮らしの高瀬さんの家にひょいひょい着いて行って良いものか…。でも高瀬さんは純粋に誘ってくれてる訳だし、警戒するのは失礼な気もする。

「もしかして警戒してます?」

「ご、ごめんなさい。」

「いいんですよ。警戒して下さい。俺も男なんで、何するか分かりませんし。」

私は自分で警戒してなんて言う高瀬さんに思わず笑ってしまった。高瀬さんなら大丈夫かな。

「少しだけ…家飲みに付き合います。」

「ありがとう。」

高瀬さんはにっこりして私を見た。そして二人で高瀬さんの家に向かって歩き出した。
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