明日は明日の恋をする
「あ、今更だけど素で話していい?仕事モード抜きでさ。」

「はい。全然大丈夫ですよ。」

雰囲気違うのは素で話してたのもあったのか。そういえば口調もいつもと違う。

しばらく話しながら歩いていると高瀬さんの住んでいるマンションに着いた。私は高瀬さんの後ろをトコトコ着いて行く。

「さぁどうぞ。」

私は靴を脱ぎ部屋の中へ入る。

「適当に座ってて。」

高瀬さんに言われ取り敢えずソファーに座った。初めてくる部屋に私は落ち着かずソワソワしていた。

「なんか緊張してる?」

高瀬さんがにっこりしながら聞いてくる。

「何だか落ち着かなくて…。何か手伝う事ないですか?」

「大丈夫だよ。あ、そうだ。カクテル呑める?」

「はい、好きです。」

「良かった。じゃあ作ってあげる。ちょっと待ってて。」

作る?どういう事だろう。すると高瀬さんはキッチンへ戻り、しばらくすると赤色の可愛らしいカクテルを持ってきた。

「どうぞ。」

そう言って私の前にカクテルを置く。

「可愛い。まさかこのカクテル高瀬さんが作ったんですか?」

「うん、今カクテルシェーカーをシャカシャカしてきた。初めて女の人にカクテル作ったよ。」

「美味しそう…ありがとうございます。」

「じゃあ乾杯しようか。」

私はカクテルを高瀬さんはビールを手に持ち乾杯した。

ーー ピンポン

「あ、来た来た。」

高瀬さんは立ち上がり、いそいそと玄関に行く。誰か来たのかな。
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