明日は明日の恋をする
「お待たせ~。」

高瀬さんが手に何かを持って戻ってきた。

この匂い…もしかして…

「ピザ頼んでたんだ。一緒に食べよう。」

「ピザ…もしかして進藤さんが言ってた身近にいるピザ好きな人って高瀬さん?」

「ん?アイツ何か言ってた?」

「アイツ?」

「おっと、お酒が入るとボロがでるね。まぁ水沢さんには話してもいいかな。全部お酒のせいにしよう。…会社の人間には内緒なんだけど、実は俺と社長…高校の同級生なんだ。」

「えぇ!?」

高瀬さんは驚く私を見て、笑いながらビールをグイッと呑む。

「社長…ケイスケはどう思ってるか分からないけど、俺は親友だと思っている。」

まさか二人が高校の同級生で親友同士だったとは…。いや、それよりも驚いたのが…。

「進藤さんと高瀬さん…同じ歳なんですか?」

「そうだよ。見えない?まぁケイスケは社長だし?貫禄もあるし?それに比べて俺は下っ端でオマケに童顔だし…。」

「い、いえ…そんな事は…。」

私は慌てて否定しようとしたが言葉を濁してしまった。

「あ、グラス空いたね。次もお任せカクテルで良い?」

「はい…カクテル作るところ見てもいいですか?」

「じゃあ、こっちの部屋で作ろうかな。」

高瀬さんはそう言って立ち上がり、キッチンからカクテル作りの道具とお酒を持ってきた。私の前でお酒をチョイスしてシェーカーに入れる。そして勢いよく手を動かしシャカシャカし始めた。

「わぁ、カッコいい。」

「そう?ありがとう。今度から女性を口説く時にはカクテルを作りながらにしようかな。」

「あはは。」

完成したカクテルをグラスに入れ、私の前に置いた。今度はオレンジっぽい色したカクテルだ。

「綺麗…ありがとうございます。」

「どういたしまして。」

お礼を言うと、高瀬さんは嬉しそうにニコッとした。
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