明日は明日の恋をする
「いえ、私達は結構です。」

「いいじゃんいいじゃん。遊ぼうぜ。」

男達は私の腕を掴み、強引に引っ張ってきた。

「痛っ、ちょっとやめてよ。断ったじゃない。」

「ちょっとだけでいいからさぁ。」

男達は聞く耳を持たない。とにかく美玲さんだけは守らなきゃ。どうしたらいい?…私が犠牲になるか…。

その時だった。

ーー ドカッ

「イッテェな。誰だよ。」

背中を蹴られた男達は怒りの形相で勢いよく後ろを振り向く。

「俺らの連れに何してんだよ。」

振り向いた男達の前には進藤さんと高瀬さんが立っていた。男に蹴りを入れたのは高瀬さんみたい。そして進藤さんが私の元へ来て、私の腕を掴んでいた男の手を強引に引き離す。

「何すんだ、よっと。」

怒りに満ちた男は進藤さんに殴りかかる。

危ない…と思ったその時、殴りかかってきた男の拳を避け、逆に男を殴り飛ばした。

『何だ何だ、ケンカか?』

騒ぎを見に人が集まってきた。

「走れるか?」

「は、はい。」

進藤さんが小声で聞いてくる。

「ナオトと全力で逃げろ。」

そう言って私の背中をポンっと押した。そして進藤さんは美玲さんの元へと行く。

「美玲さん、大丈夫ですか?」

「え、えぇ。少し驚いてますけど。」

「少し走ります。ついてきて下さい。」

進藤さんは美玲さんの手を取り、2人でホテルの方に向かって走り出した。

「明日香ちゃん、こっち。」

高瀬さんが私の元へ来て、手を握って進藤さん達と同じ方向へ走った。
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