My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
「もしかしたら野営の煙が見えるかもしれない。注意しながらゆっくり戻ってみよう」
「夜馬で野営なんかするかよ」
「何もしないよりはマシだろう」
セリーンの優しげな声音にラグは小さく舌打ちをし視線を遠くに送った。
……とりあえずは落ち着きを取り戻せたようだ。
俺は後ろを振り向き、手振りと表情で感謝を伝える。セリーンは「ふん」と鼻を鳴らし俺から視線を外すとラグとは逆の方向を見つめ始めた。
――つれない態度は相変わらずだが、なんとなくその空気が先ほどよりも柔らかくなったように感じて、俺も気を引き締めて手掛かりを探すために闇の中目を凝らした。