終着駅は愛する彼の腕の中


「ノエリ。ちゃんとこれたね、終着駅に」

「え? 」

「ノエリの終着駅は、僕のここだよ」


 ギュッと抱きしめて、羽弥斗が言った。


「・・・とっても安心する・・・」

「次はどこに行く? 乗り換えはどうする? ひかりで行く? のぞみで行く? それとも・・・」


「こだまで行く。だって、その方が沢山見る事ができるから。各駅を止まって、いろんな場所を見て楽しめるから」


「よし! じゃあ、それでいこう」


 
 羽弥斗とノエリは笑いあった。



「2人とも、ご飯できたわよ」


 茜に呼ばれ食卓に向かう羽弥斗とノエリ。



 ベビーバウンザーでスヤスヤ眠っているアキタ。



 楽しい笑い声が響く城里家。


 そこには思い出がいっぱい。

 そしてその思い出は、これからもどんどん増えてゆく。


 新幹線が止まらないように、続く線路のように。



 終着駅は彼の腕の中。


 END 
  
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