甘やかされ婚~年上の旦那様は、獣な本性を隠している~
深夜勤明け、蓮君がベッドに運んでくれた後、私はどっぷりと深い眠りにつき――。
時間にしたら、まだ二時間ほど。
だけど、空腹を感じて一度起き出し、彼の仕事部屋のドアをノックした。
どうぞ、という応答に導かれ、遠慮がちにドアを開ける。


「蓮君……?」


ごく普通の、六畳間。
一番に目に飛び込んで来るのは、彼が向かっている一際大きなデスク。
勉強机とか、パソコンデスクといったものとは違う。
製図台というそうだ。


その他、壁際に据え付けられたアルミのスチールラックには、難しそうな本がたくさん並んでいる。
日本語だけじゃなく、英書の雑誌なんかもある。


「おはよ、真由。お腹空いた?」


蓮君は、シックなブラウンフレームの眼鏡を外しながら、私に顔を向けてくれた。


「お、おはよう……」


柔らかい微笑みにドキッとして、思わず一歩中に踏み出してから、ハッと我に返る。
私は、昨夜の出勤時に着ていたニットとガウチョパンツのまま、寝てしまった。
茶色くカラーリングしている髪は、鎖骨にかかる長さのゆるふわヘアだけど、結び痕がついてしまっていて、ぐちゃぐちゃ。


いや、それだけじゃない。
駆けずり回って汗だくになったのに、まだお風呂も入ってないし、ドロドロに溶けたメイクもそのまま。
普段はチャームポイントと言える、二重目蓋の大きな目。
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