甘やかされ婚~年上の旦那様は、獣な本性を隠している~
ボヤくように続けるのを聞いて、私も同意のつもりで頷いてから、再びストンと椅子に座り込んだ。


「ほんとよね。彼女さん、羨ましい……」


先生には、『俺を羨ましがってる場合か』なんて言われたけれど、自分の現状を脳裏に浮かべてみると、やっぱり溜め息しか出ない。


「一色先生の彼女、私たちと同じくらいの年齢だってね。真由んとこと同じ、年の差カップル。すぐ近くにいるお手本のつもりで、ラブラブになれる秘訣でも聞き出してみたらどう?」


祥子は、昨夜の私の発言を蒸し返して、そんな意地悪を繰り出してくる。
だけど、それには怒る気力もない。


「ほんと、聞いてみたい……」


声を尻すぼみにして、テーブルに伏せる私に、彼女はなんだか太い息を吐いた。


「やれやれ……。真由、昨夜の話。ちゃんと聞いてあげるから、さっさと記録書いちゃいなさいよ」


祥子は私にそう促しながら、自分もしっかりペンを持ち直していた。
サラサラと記録を綴る彼女の右手を横目に、私も頭を上げた。


「久しぶりに、『モーニング』食べに行こう」

「う、うん!」


ニッと笑う祥子に、藁にも縋る思いで、大きく首を縦に振って返した。
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