甘やかされ婚~年上の旦那様は、獣な本性を隠している~
真夜中の『コードブルー』から、五時間後――。
待ちに待った日勤者が出勤して、私はバタバタだった深夜勤から解放された。
緊急召集で業務から抜けていたおかげで、残務と記録が山積み。
それを片付けるのに、二時間も費やしてしまい……。
ようやく家に辿り着いた私は、
「ただいまー……」
玄関先で、力尽きた。
そのまま、廊下にバタッと倒れ込むと、奥からぱたぱたとスリッパの足音が近付いてくる。
「お帰りー……って。真由っ!?」
最初は呑気だった出迎えの低い声が、ややひっくり返った。
「おい、真由っ! 大丈夫か?」
どこか切羽詰まった次の声は、わりとすぐ耳元で聞こえた。
「う……ん」
身体を抱き起こされる感覚。
ぼんやりと目を開けると、ものすごく綺麗な顔をした王子様が、私を覗き込んでいた。
「……王子様」
夢でも見ているのか……。
無意識に呟くと、
「は? なに言ってんの」
呆れた調子の声が返ってくる。
「よく見て、真由。俺は、誰?」
ペチペチと頬を叩かれ、目の焦点を合わせようと、力強く瞬きをした。
目元にかかる、サラッとした焦げ茶色の前髪。
その向こうの、切れ長の目元。
整った形のいい眉は、眉尻がピクッと上がっている。
心配そうに眉根を寄せているせいで、眉間に皺が刻まれている。
待ちに待った日勤者が出勤して、私はバタバタだった深夜勤から解放された。
緊急召集で業務から抜けていたおかげで、残務と記録が山積み。
それを片付けるのに、二時間も費やしてしまい……。
ようやく家に辿り着いた私は、
「ただいまー……」
玄関先で、力尽きた。
そのまま、廊下にバタッと倒れ込むと、奥からぱたぱたとスリッパの足音が近付いてくる。
「お帰りー……って。真由っ!?」
最初は呑気だった出迎えの低い声が、ややひっくり返った。
「おい、真由っ! 大丈夫か?」
どこか切羽詰まった次の声は、わりとすぐ耳元で聞こえた。
「う……ん」
身体を抱き起こされる感覚。
ぼんやりと目を開けると、ものすごく綺麗な顔をした王子様が、私を覗き込んでいた。
「……王子様」
夢でも見ているのか……。
無意識に呟くと、
「は? なに言ってんの」
呆れた調子の声が返ってくる。
「よく見て、真由。俺は、誰?」
ペチペチと頬を叩かれ、目の焦点を合わせようと、力強く瞬きをした。
目元にかかる、サラッとした焦げ茶色の前髪。
その向こうの、切れ長の目元。
整った形のいい眉は、眉尻がピクッと上がっている。
心配そうに眉根を寄せているせいで、眉間に皺が刻まれている。