溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
日常(玲奈side)
最近の私の日常は充実していた。

バイト状態の小児科勤務は父親世代の院長先生で地域に密着した
いわゆる町のお医者様で。
看護師の恵ちゃんも含めて毎日5人ほどでまわしている。医療事務は院長の奥様で
子育てもベテランで若いお母さん方の良きアドバイザー。
大きな病気を持った子は滅多にいないけど、異変に気付き適切な治療を行うためには
町のお医者さんの役割は大きい。

検査が必要そうな患者さんは大きな病院で再検査を受けてもらう。
そのためには診断できる目利きが必要になる。
子供は特にどこが苦しいのか伝えられないので初期診断は重要だ。


亮さんとの徒歩五分の関係も心地いい。
お互いのテリトリーにいられるのは幸せ。

今日は午後からデート。
楽しみに帰宅したら例の同僚が待ち伏せしていてビックリした。
その向こうに亮さんがいて安心する。

今日こそはきっぱりはっきり伝えよう。

ちゃんと言えば伝わると思っていたら、なかなか難航して、一方的に引っ張られたときは
怖かったけど、同時に腹が立って…。

で、ちょっとかじった合気道が見事にきいて、自己防衛できたのだけど
亮さんの前でやらかしてしまった。
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