シュガーレスでお願いします!

「お母さん、お父さん!!無事、到着してたんだね」

飛行機の都合で現地集合になってしまったけれど、旅行に不慣れな両親が迷子にならずにいてくれてよかった。

地元の市役所で総務部長をしている父と、中学校の教員をしている母は、沖縄の自由な空気とは大分ミスマッチないかにも堅苦しい旅装で私達の到着を待っていた。

「久し振りね、比呂、慶太くん」

「お久し振りです。お義父さん、お義母さん」

慶太がうちの両親に会うのは結婚の挨拶に行った以来である。

寡黙な父は慶太の挨拶にうむと頷くだけで、固い表情を崩さない。パティシエという職業は男性には相応しくないと思っているのか、どうも娘の夫に対する心証がよろしくない。

「比呂~!!」

「あ、お姉ちゃん!!」

名前を呼ばれて振り向けば、空港の出口の方からお姉ちゃんが手を振りながらこちらにやってくる。睦月さんと一翔くんも一緒だ。

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