シュガーレスでお願いします!

「聞いていたんですか?私、甘い物が食べられないんですよ。スイーツ全般がダメなんです!!だから、有馬さんにはもっと他に相手が……」

「待って」

シュガーレス体質の私とパティシエの有馬さんには大きな隔たりがあると、説明しようとしたそばから唇に人差し指がチョンとのせられる。

「“食べない”じゃなくて、“食べられない”なら自分では食べたいって気持ちがあるってことだろう?」

有馬さんに指摘され、ハッとする。

自分でも無意識のうちに口にしていた“食べられない”という単語について、これまで深く考えたことはなかった。

(そういう視点で自分のシュガーレス体質を考えたことなかったかも……)

自分でも諦めていたこの体質にひとつの希望を見出したのが、家族でも友人でもない、数か月前に出会ったばかりのパティシエの有馬さんだなんて不思議だ。

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