シュガーレスでお願いします!

「本当にこの時期は忙しそうですよね。私、soleilの月がわりの新作ケーキ楽しみにしてたんですけど、今月はないみたいで残念です~」

「え……?」

新作ケーキが発表されていないと聞いて、ざわりと心の中が嫌な感じに波打つ。

君島さんが嘘を言っているとは思えないから、余計に凍り付いてしまう。

慶太は……お店に出すケーキを考えるためにsoleilに遅くまで残っていたんじゃないのか?

「どうかしました?」

急に歩みが鈍った私を君島さんと上野先生が振り返る。

「ううん。なんでもない……」

私は2人に追いつくために大急ぎで歩みを進めた。

嘘をつかれた?なんで?どうして?

新婚旅行の時には鳴りを潜めていた疑惑の種が、ここにきて大きく芽吹いていくのを感じていた。


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