シュガーレスでお願いします!
「……俺、遠藤さんに振られたんで」
「えっ!?そうなんですか!?」
ふたりきりという気安さも手伝って、私は素っ頓狂な声を上げて上野先生の話に耳を傾け出したのだった。
見るからに順調そうだったのに、一体どんなヘマをしたんですか?
「俺には、もう女心がわかりませんよ……」
童顔の上野先生の顔立ちが憂いを帯び、幼さが薄れ年相応の精悍さが顕著に表れ出していく。
「遠藤さんにはどんな風に気持ちを伝えたんですか?」
「どんな風って……。普通に『彼氏がいないなら俺なんてどうですか?』って……」
想像を絶するうすっぺらーい内容に、私は反射的に頭を抱えたくなった。
相手に気負わせることのない会話は上野先生の得意分野ではあるが、本気の愛を伝えるという点では効力はいまひとつ。
これでは遠藤さんも愚痴のひとつも言いたくなる。