シュガーレスでお願いします!

それから1時間ほど残って仕事を片付けると、私は事務所の明かりをすべて消して回り、最後に戸締りを確認してから入り口のカギを掛けた。

エレベーターを降りビルから出ると、冷えた手をコートのポケットに突っ込み歩道を歩く。

さすがにこのまま徒歩で帰るのは気が引けるので、大通りに出たらタクシーを捕まえようか。

そう考えていると、ポケットに入れていた携帯が震え、着信を知らせた。

「今どこにいるの?」

着信は慶太からだった。

「事務所を出たとこだけど?」

先日の喧嘩を引きずっている私はつっけんどんになって答えた。

「迎えに行くから、今すぐ事務所に戻って」

私がまだ帰宅しておらず外をうろついていると知るやいなや、声色に怒りが滲みだす。

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