シュガーレスでお願いします!

「いいよ。ひとりで平気……」

慶太の断ろうと躍起になり、電話にばかり気を取られていた私は背後から忍び寄って来る男性の影に全く気が付いていなかった。

「静かにしろ」

突然、誰かが慶太と私の会話に割って入ってくる。

背中にナイフのようなものが当てられるのが分かり、息が止まりそうになった。恐る恐る背後を振り返ると、予想通りの人物が立っていた。

「あなた……」

「黙れ!!」

葛西さんの旦那さんはそう言うと、私に見えるようにナイフを目の前にチラつかせた。

刃渡り10センチほどの、サバイバルナイフがクリスマスイルミネーションに照らされ怪しく光る。

私は携帯を右手に握ったまま、抵抗の意思がないことを示すように肩より上に手を上げた。

まさか、こんな人通りの多い所で脅してくるなんて……!!

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