シュガーレスでお願いします!

「比呂!!」

「どうしたの?」

「家にいると暇だからさ~。折角だから、お世話になった事務所の方々にご挨拶しておこうと思って、病院の帰りに寄ってみたんだ」

慶太はそう言うと左手にぶら下げた紙箱を私に渡した。

「はい、これお土産」

紙箱の中にはいくつものケーキが所せましと詰められていた。

soleilのケーキの大盤振る舞いと聞いて、事務所の中がにわかに騒がしくなる。

「ところで、今日遠藤さんは?」

「風邪を引いてお休みしているけど……」

「じゃあ、これ今度渡しておいてくれる?」

慶太はポケットをゴソゴソと漁ると、私に二つに折られた5センチ四方の紙切れを渡した。

「なにこれ?」

「クリスマスケーキの引換券だよ」

遠藤さんがケーキを予約しに行ってくれたのは間違いないけれど、彼女の手にあるはずのケーキの引換券をなぜ慶太が持っているのか?

不思議に引換券を眺める私に慶太はおしゃべり根性丸出しのおばちゃんのように砕けた口調で説明してくれた。

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