シュガーレスでお願いします!

「ねえ、あなたがどれぐらい有馬先生を愛しているか試してみせんか?」

「試す?」

「簡単ですよ。目隠しをした状態で、soleilのケーキを食べてその名前を当てるだけです。ただし、当てられなかったら有馬さんと離婚してください」

離婚……!?

思いも寄らぬ提案に、しばし言葉を失ってしまう。当人同士ならいざしらず第三者から離婚しろとを突き付けるのは、いささかやりすぎのきらいがある。

「もし、私が当てたらどうするつもりだ?」

「soleilを辞めます」

清水さんにとって慶太のいるsoleilで働くことは悲願だったはずだ。

離婚と引き換えにそれを差し出すなんて、相当の覚悟があるらしい。

「……わかった」

慶太への愛情を引き合いに出されてしまっては、勝負を受けざるをえない。

彼女の要求は無茶苦茶だし申し出を断るのは簡単だけれど、それではお互い納得しないだろう。

リスクの承知の上、それでも白黒はっきりつけなければならないこともある。

売られた喧嘩は買ってあげる。だって、慶太の妻は他ならぬ私だから。

「比呂!!」

「慶太は口出ししないで」

どうみても無茶な勝負を止めようとする慶太に、口答えしないよう目線で訴えかける。

本当に分かってないな、慶太は。

「私を信じて」

女同士の勝負に男が口出しするなんてヤボだぞ?

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