シュガーレスでお願いします!
「なんだ、もっと遅くなるかと思ってた。待ってくるくらいなら呼んでくれれば良かったのに」
これまでのやり取りを一切知らない慶太は、呑気なことを言ってくる。
ええ、まさに。今、呼ぼうとしていたところだったのよ。
人気アイドルを守る警備員のような彼女に門前払いにされかけたけどな。
「有馬さん!!」
折角追い払った私に慶太が親し気に話しかけていることにたまりかねたのか、彼女が怖―い顔で睨んでくる。
「そちらの女性は一体何者ですか?」
「あれ?清水さんには言ってなかったっけ?俺の奥さんだよ」
慶太がそう言うなり、清水と呼ばれた従業員の女性はあんぐりと口を開けた。
「奥さん……?有馬さんって結婚されてたんですか……?」
「そう。新婚ホヤホヤ。3か月」
私の肩に腕を回しイエーイとピースサインをかますと、清水さんは明らかにショックを受けていた。
いつまでいちゃつく気だ……鬱陶しい。