シュガーレスでお願いします!
慶太が寝室から出て行き、玄関の鍵の閉まる音がしたのを聞くと、私はそのまま力尽きたように10時ごろまで惰眠を貪った。
お日様が煌々と寝室を照らし始めてようやく目が覚め、慶太が置いていってくれたスープとサラダ、食パンを焼いて簡単な朝食を済ます。
(慶太も仕事に出かけたことだし、洗濯でもするか)
のんびりとした休日の気配が変わったのは一通り洗濯が終わらせ、ついでにフローリングに掃除機をかけ終えた午後のことだった。
事務所から支給されている携帯から突然、着信音が鳴った。
通常、クライアントに渡す名刺には事務所の電話番号しか記載されていない。
この仕事用携帯の番号を知っているのは、奥寺法律事務所の面々と、私が差し迫った状況にあると判断した何人かのクライアントだけだ。
……つまり、緊急事態が発生したということだ。