シュガーレスでお願いします!
「これは俺が食べる」
「え、なんで?」
黙っていたことは悪いと思うが、せっかく買ったのになんで食べてはいけないのだろう。
「どうせ比呂には食べられないだろ?」
慶太は私の体質を正しく理解してくれている。
だからこそ、最初から私に食べられるはずがないと決めにかかっている。
食べるだけ無駄だと断言され、私はしかめっ面で慶太に食って掛かった。
「そんなの食べてみないと、わからないじゃないか!!」
「じゃあ、どうぞ」
キッチンの引き出しからフォークを取り出すと、はいっと手渡される。
私はむんずとフォークを奪うとチーズケーキの包みを開け、一口大に切って口に頬張った。
……結果は慶太の予想通りだった。
「うっ!!ゲホゲホっ!!」
私は一口食べるなり、キッチンのシンクに手をついてケーキをそのまま吐き出した。
「ほら、やっぱり」
慶太は口をゆすぐ私にタオル渡しながら、それ見たことかと揶揄するような口調で言った。
「そんなに酷い言い方しなくてもいいだろう……?」
ケーキを食べようとしただけでこんな目に遭うのかと思うと泣きたくなる。
甘いものが食べられない体質に理解があるというのは、とんだまやかしだったのか。