シュガーレスでお願いします!
(私は慶太に甘え過ぎていたのかもしれない……)
どんなに疲れていても、今日ばかりは目が冴えて眠れそうになくて、布団の中で何度も寝がえりを打つ。
確かに20代後半に差し掛かってから、両親から早く結婚するように急かされて辟易していたのは事実だ。
しかし、いくら困っていようが、誰とでも結婚するようなバカな真似はしないのに。
(あんな風に思っていたなんて知らなかった……)
慶太が私を見つめる瞳は初めて会った時から変わらない。
一方で、私は慶太のことを知れば知るほど、奴を見る目が変わっていく。
(最初は不審者としか思えなかったのに……)
私は約9か月前――慶太と初めて出会った日のことを思い返していた。
あれは、吐く息がすべて凍ってしまうほどの寒い1月のことだった。