シュガーレスでお願いします!
「うわ、おいし~い!!」
遠藤さんはそう言って嬉しそうに卵サンドを味わう。
「ホントだ。なにこれ。すげー美味い」
上野先生などほんの3口ですべて平らげてしまった。
慶太のために買った差し入れだけど、こんなに喜んで食べてもらえたのなら卵サンドも浮かばれるというものだ。
「あ、お礼と言ってはなんですが、今から比呂先生も飲みに行きませんか?」
上野先生は紙ナプキンで口を拭くと、私を飲みの席に誘ってくれた。
「なんと上野先生の奢りですよ」
「ちょ、遠藤さん!!」
奢りの部分を強調する遠藤さんに対し、上野先生は慌ててしーっと口止めを図るのだった。
息の合った夫婦漫才のような掛け合いに、しばし和む。
今のところは上野先生の片思いだけれど、遠藤さんだって2人で食事に行こうとしたくらいだから、まんざらでもないと思うんだよな。
普段ならお邪魔になるので断るところだけど、今日ばかりはお言葉に甘えて2人についていくことにした。
今日だけはどうしてもひとりで家にいたくなかった。