シュガーレスでお願いします!
上野先生が連れてきてくれたのは、半地下にある創作和食のお店だった。壁一面にずらりと貼られた半紙には達筆な字で店自慢の日本酒の名前が書かれており、店主のこだわりが随所に感じられる。
上野先生は常連なのか、案内されたテーブル席に座るなり、お勧めのおつまみと日本酒をメニューも見ずに注文した。
「ささ、どうぞ~」
升からお猪口に日本酒がなみなみと注がれていくと同時に口をつける。
私は上野先生が注文した日本酒をグビグビと喉を鳴らして飲み干した。
「いい飲みっぷりですね~」
あまりに潔い飲みっぷりに上野先生からパチパチと拍手をもらう。
「ありがとうございます」
ふうと息をついて、空になったお猪口をテーブルに置く。
今ならいくらでも飲めそうだ。
だって、全力で走ったあとで、すっごく喉が渇いていたんだもの。
上野先生が注文してくれた日本酒はどれも私好みの辛口で、しかも適度に冷えていて、火照った身体にはちょうどいい。
soleilでの出来事を忘れようとすればするほど、自然と飲み食いするペースが上がっていく。
「いくらなんでも飲み過ぎじゃないですか?」
遠藤さんが見かねて私が手に持っていた御猪口を水の入ったグラスに置き換える。