シュガーレスでお願いします!
「比呂先生っ!!このマンションで間違いないですか?」
「そーそー!!あ、そ、こ!!」
見慣れたマンションの全景が見えると、あれだあれだと指を指す。
上野先生に肩を貸してもらい、遠藤さんには背中を支えてもらい、ふらふらとおぼつかない足取りでマンションのエレベーターに乗り込む。
遠藤さんが部屋番号を確認して軒先のインターホンを押すと、なんと帰宅していた慶太が顔を覗かせたのであった。
「どちら様?」
「あ!?え!?有馬慶太!!」
上野先生が驚いたように、慶太の顔を指さす。
私が有馬慶太と結婚したと知識の上では理解していても、いざその事実を目の前に突きつけられると動揺してしまうのも無理はないだろう。
「ご在宅だったんですね。よかった……」
遠藤さんは自身のトートバッグから名刺を取り出し、慶太に渡した。
「私共、同じ法律事務所の者なのですが、奥様を飲ませすぎてしまったようで……」
送り届けにやって来たと説明すると、慶太は私のこの有様を見て納得したようだった。