シュガーレスでお願いします!
まるで身体に力が全く入らない。なにこれ。
全身がタコのような軟体動物になり果ててしまったかのよう。
そうかあ……。私の前世はタコだったのかあ。
慶太は怒ったようにはあっと息を吐くと、タコ人間になった私を荷物のように肩に担ぎ上げた。
「節度を持てって自分で言ったくせに、酔っぱらって簡単に他の男に身体を預けるなよ」
深酔いを注意するその言い方は甘いオブラートに包まれていなくて、随分素っ気なかったけどなぜだか安心できた。
「けーた……。あい……してる……」
私は力いっぱいぎゅうっと慶太に抱きついた。
「……ずるいよ、比呂は」
慶太の独り言は既に眠りの世界に突入していた私の耳に届くことはなかったのだった。