揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「うーん、じゃあベットいこうか」
続きのシーンってやっぱり………
言われた通りに座ったら照明もやや落ちて………
「メイクさんお願いします」と少し乱れた髪を直すよう声をかける。
素早く直してくれたヘアメイクの人が何故か興奮気味に「ついに始まっちゃいますね?頑張ってください」って言うだけ言って下がって行った。
どういうこと…?
ベットに座らされてシャッター音が鳴り続ける。
指示がない。
えっと、恋人のフリはまだ続けていいそうだから次は何をするべきか。
シャッター音が止んでもまだ構えたままの彼女はきっと俺を試してる。
クソ……どうしたらいいんだ?
この次の展開……
「いいよ、誘ってよ」
「え…?」
シャッター音が再開する。
「誘ってくれないと私もそっちに行けないんだけど?」
さ、誘う!?
どうやって…!?
「アレ…?もしかしてプライベートでは受け身なの?」
わざとカメラから顔を見せて挑発してくる。
受け身…?この俺が…?
ふざけんなよ……!
手を引っ張りベットに押し倒した。
お、押し倒してしまった……
「こ、こんな感じでいいんすか?」
顔色ひとつ変えないとこ、何かムカつくけど……カメラを構えられたら反撃出来ない。
「いいね、その瞳……ゾクゾクする」
やっぱり彼女の方が一枚うわ手だと思った。
そっと体を起こし素直にギブアップ…かな。
「指示……してください」
カメラを構えながら彼女は小さく笑った気がした。
そのまま無言で逆に押し倒されるハメに。