揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
あれから普通に仕事をしてるし、何ひとつ変わらず接してくれている。
他のアシスタントも今まで通りの関係性。
そして、変わらないことがもうひとつ。
「レイさん準備出来てま……す」
部屋まで迎えに行くとまた被写体の人とキスしてる……
懲りない人だ………
今回は以前ご一緒した俳優の相模原 駿さんですね。
よくまぁ、いつ誰が来るかも分からない楽屋でチュッチュ出来ますよね。
俳優さんは赤面してるけどレイさんは相変わらず動じてない。
そっとドアを閉めるのも思いやり。
別室で準備していると後ろからハグされる。
「ヒャッ…!」と変な声出しちゃうけど、背丈や香水の匂いで分かってしまう。
「刺激強かった?」ってレイさん。
わわわ、早く離れてください…!
誰が見てるか分からない。
「いつも見てるのでもう慣れました」
ジッと見られるから堪らず
「何ですか?」と聞く。
あまり顔見れない……
どうしても唇に目がいくから……
「何だ、刺激足りなかったか」
「あの、もう充分刺激もらってますよ?あんなの見せられて」
クスクス笑う。
なんで…?何か可笑しい…?
「妬いてる?可愛い」
「なっ、何でそうなるんですかっ!」
「撮影再開するよ〜!」と出て行く。
またからかわれた……
あ、待って…!
すぐに廊下を追いかける。
曲がり角を曲がったレイさんの後を追って曲がると。
ドンッ!とぶつかり、レイさんがこっちを向いて立ち止まっていた。
「えっ!?」