揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
外して持って行こうとした瞬間。
「ちょっ…!駿くん…!」とレイさんの声がして中に入って来た。
ゲッ…!何というタイミング。
電気ついてないから誰も居ないと思われてるんだろうな。
これからは絶対に電気はつけようと心に誓う。
鍵を締めたのもわかった。
ヤバい……本気でやっちゃうやつ?
ひぇ〜!私ここに居るよ〜!
今すぐここを出ていきたい…!
でも、意地でも物音たてないようにしなきゃ。
「駿くんのバカ……」
うわ、レイさんの甘い声。
リップ音が続く。
ソファーに座ったか、服でも脱がしてるのだろうか。
2人の息遣いと自分の心臓の暴れ音だけが聞こえてる。
ど、ど、どうしよう…!
かなり気まずい……
どうか、見つかりませんように…!
早く終わってくれ〜!
耳を塞いでいても聞こえるレイさんの喘ぎ声。
煽る好奇心。
見えてないところで……
一体何をしているのか……
見てみたい…というのは本心なの?
ギシギシと揺れる音がこっちにも伝わってきて……
自分も汗ばんでいく。
上手く呼吸出来ているのかも分からない。
いや、呼吸しちゃダメ…!
気配消さなきゃ…!
「レイ……」
「駿くん……っ」
漏れる吐息もリップ音も
お願い、聞こえないようにして…!
この状況はかなりキツい…!
「駿くん…そろそろ…」
「うん…」
え……そろそろ……?
なに?
ドキドキが止まらなくて
少しだけ覗いてしまう。
ほんの一瞬だけ……