揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「レイさ〜ん?起きてください…!迎えに来ましたよ〜?」
「ん………あと5分……」
ある日の休日。
おそらくまだ誰にも教えていないだろう本宅に私はお邪魔している。
広いリビングに衣装部屋までついたタワーマンションの上層階。
2LDKの一人暮らしでこの広さ。
リビングだけで私の家収まっちゃうよ……
カーテンなんかなくてもOKな明るい内装。
朝日が寝ているレイさんの髪を照らしていてとても神秘的に見える。
何度も見てきた寝顔だけど、本当どこから見ても完璧というか……
何でこんなに綺麗なんだろう……
しかもまだ裸で寝てるんですね。
最初は慣れずにびっくりしたけど、
寝る時は裸族になるらしいです。
脱ぎ捨てたであろう服を拾いランドリーボックスに入れた。
目につく場所で散らかっていたら片付ける。
「レイさ〜ん…?」
起きないじゃん………
レイさんから来てと言われたのに。
やることないし……
起きるまで寝顔見てていいよね……?
うつぶせ寝してる綺麗な寝顔。
前髪が少し乱れてたから直してあげた。
あ……今撮りたいな。
起きちゃうかな…?
でも、撮りたい………
神秘的で………神々しい。
長い睫毛、動きませんように。
そ〜っと携帯を出して……カシャ!
ヤバ……ッ!と息を呑むが、
全然起きなくてセーフ………
画像を確認してみるとやっぱりため息もの。
待受にしたいくらい。
どうしよう…!宝物だよ〜!
こんなレアなショット、もう二度と撮れない…!キャー!
チラッと携帯からレイさんに視線を移すと「ひゃっ!」
バッチリ目が開いてる………
「お……おはよう…ございます」
いつから起きてたんだろうか……
絶対撮った時起きてたよね……?
ドキドキ………