揺れる被写体〜もっと強く愛して〜




ムクッと起きてベットから下りる。
わわっ、服着てくださいよ…!
慌てて用意しておいた下着を身に着けてもらう。




「え〜いいじゃん、女同士なんだし」って面倒くさがらないで。
てか、何で私がブラのホック留めてあげてるのよ。
顔を洗い終えたレイさんは髪をまとめていてTシャツ姿の下はパンティーのみ。




たったそれだけの、しかもすっぴんなのにも関わらず……全部が絵になるんだよなぁ。
メイクも時間かからないし、髪型だってすぐキマる。
さすが元ヘアメイクアーティスト。




「で、今日はどんなご予定なんですか?」




全く聞いてなくてこの身ひとつで来たんですけど?
そろそろ教えていただいても宜しいでしょうか?
目が合って立ち上がったレイさんは私の隣に座った。




両手で頬をロックオンされたので一瞬焦る。
親指で唇をなぞり「ルージュ塗ってあげる」ってびっくりしたー!
その視線、耐えれませんから…!
朝からドキドキさせないでください。




レイさんが……私の唇を見てる。
どこ見てていいか分かんないし。
お揃いのルージュを塗り、嬉しくてご機嫌な私に携帯を渡される。




「さっきみたいに撮ってみたら?」




「えっ…!?」




やっぱり……気付かれてた!
固まる私に体ぴったりつけてきてフフンと笑ってる。
カメラ起動……インカメにされて肩を抱かれた。
思いきり緊張してる私の顔がマヌケに映っててヤバい。




「はい、笑顔だよ〜」




レイさんとの2shotとか家宝もんだよ……
顔小さいから遠近法使わないと恥ずかしい!
顔引きつってる……




ガーン………
せっかくの2shotなのに……私のバカ。
こんなチャンス滅多にないのに。
写真嫌いのレイさんだよ?
しかも自分から撮ってくださったのに。






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