揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
進む先々で関係者やお客様に挨拶して回る。
すぐに周りを囲まれて身動き出来ない。
常にカメラやスマホを向けられて笑顔絶やせないのが少し辛いけど、こんな晴れ舞台なかなか経験出来ないから頑張って乗り切る…!
今までの集大成を集めた写真展では、関わった被写体の全てを展示しているが私の独断と偏見で一番良いショットを1枚選ばせてもらっている。
気に入っているものは特別大きく飾ってある。
特に人気のあるタレントやアーティストさんはデカデカと引き伸ばした。
やっぱり一番人気があるブースは
GLEAMSの展示写真。
目玉になるだろうなと思って結構な枚数を展示している。
本人たちも当時を思い出しながら見てくれてんだね。
なかなかの人が押し寄せてるからSPが彼らを囲ってる。
また1人、花束を抱えた人物が。
「レイ、招待状ありがとう…また会えて嬉しいよ」
綺麗な栗色の髪。
相変わらず長身のイケメン。
シックに決めたセットアップが似合ってるね。
「こちらこそ来てくれて嬉しいよ、ジヒョン」
花束を受け取り軽くハグする。
ジヒョンの展示写真は上半身裸の正面ショット。
後ろから紅いネイルをした女性の手が抱きしめる形で体に這う。
濡れた前髪が何ともセクシーで、当時はモノクロバージョンで世に出していたけど、今回はカラーバージョンも用意。
しかもほぼ本人の原寸大だよ。
ちなみに紅いネイルの手はメグミちゃんでした。
自分の展示写真を恥ずかしそうに見てるジヒョン。
「また機会があったら撮ってくれる?」
「勿論…!」
真っすぐ見つめる先の笑顔は少し暗い。